Entries

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
http://fortis444.blog130.fc2.com/tb.php/202-211d67ab

トラックバック

コメント

コメントの投稿

コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

自己満足で出来たラノベ風の何かが出来ましたよ。

時間に余裕がある時で良いです。

ねむっ平日の4時30分までやってしまった。

これから寝ても7時には起きるから2時間半は寝れるかな?

↓続きを読むに入れて置きます


 また夢で会いましょう(仮)


  *第一章 「夢魔と夢」*

  エピローグ 「出会い」

ぼんやりとした意識が覚醒していく…
目をゆっくりと開けていく。朝のすがすがしい空気や光は無く、
部屋の中はまだ夜の冷たさと暗闇を保っていた。
何時だろうか。とりあえず体をひねって目覚まし時計を見…
腹部に多大な重量物が乗っかっているのは夢ではないようだ。
「なんでオマエここに居る?部屋の戸締りは完璧のはずだぞ」
月の明かりに照らされて薄く見える少女の顔は驚愕を貼り付けていた。
「キサマ!人間か!?」
「オマエに言われたくねーよ」
何の冗談か…鍵は…大家さんの陰謀か?
いや、大家さんの娘ですら僕より年上だったはずだ。
そもそも大家さんの性格で知人をごく一般的な俺の部屋に送り込む意味がわからない。
「キサマ…」
頭を振る。眠気を覚ます意味でもその発言に対しても。
「キサマじゃなくて俺は詩縫啓二。し・ほ・う・け・い・じ。」
親いわく、神の啓示が聞けるようにという名前らしいのだが小・中とろくなあだ名にならない名前だ。
ちなみに現在はデカと呼ばれている。
僕の腹部に乗っかったままの少女に目を向け暗闇だった為目を凝らしてみると…
「私はサキュバスだぞ!」
生まれたままの姿であろう肌色めいいっぱい状態で胸座を掴まれ揺さぶられるのであった。
「何でこうなったぁぁぁあああ!」


   *****


時をさかのぼること何分(?)か前。
僕はよく夢の中で自由に動くことができる無駄な才能を持っている。
ゆえに夢を見るとすぐに「これは夢の中だ」と気が付くことができる。
今日も夢を見た。懐かしい…1年以上たったか…実家の僕の部屋だった。
実家から遠い高校に進学したために親元を離れ一人暮らしをしている。
家が恋しいのだろうか。
お盆と暮れぐらい里帰りすればよかったかな…いろんなことを思い出し、忘れ、今の僕を夢の中に形作る。
リアルな夢だ…窓が光っている。窓に近づくと光が消え1年以上前に何度も見た窓からの風景が現れた。
本気で懐かしい。夢から覚めたらこの風景も忘れてしまうのだろうか…少し悲しい気分になった。
夏休みには一回家に帰ろう。
そんな感傷を抱きながら窓を開けようとして…引っかかった。懐かしい…いつもここで引っかかるんだよな僕の部屋の窓…凄いリアルだ記憶通り。自分が少し苦笑している事に気づく。
今度こそ窓を開け放ち身を乗り出した。周囲の景色をぐるりと見回し記憶と照らし合わせる。なんとなくため息をついて窓枠に肘をついてあごを乗せた。
何の夢なんだろうか…?まぁ何も無い真っ白の部屋や真っ黒な部屋にずっと放置されるより確実にいい夢だろう。
ここでまったりしていよう。寝てるんだから脳だって休んだっていいんだ。
と、思っている矢先、無粋な乱入者が現れた。
見たことのある懐かしい景色にありえない物が上空から近づいてきている。
「ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああ」
叫びまで聞こえてきた。相当早いらしい。
頭から真っ直ぐ突っ込んでくるその様は頭に手足がついてるキャラクターを思い出すほどだった。
「空飛ぶ………女!?」
窓から飛び込んできてあまりの速さに避けきれず体当たりを受けた。
コミカルにすっ飛んで床にずどーんと倒れた。
いててて…って夢なのにリアルな痛みだ。無意識に片目を閉じ頭をさする…
「キサマ…夢のリアリティ高すぎ!飛べないではないか!死ぬ所だったぞ」
いきなり僕の夢に入ってきていきなり何を言うのかこの……!!!???
改めてぶつかってきた女性に注目してみると綺麗な黒髪…いや、光が当たると濃い青に見える藍色のロングヘアーだ。
大人しそうな髪型と違い、顔は少し釣り目大きくルビーのような瞳、燃えるようなその双眸によって強気な印象を与える。顔全体としては少し丸みを帯びて幼さを残し小さな口がそれを強調する。
身長は……ぶほっ「なんでメイド服なんだ!」
意味わからん。
「そりゃ私は淫魔だから…………って、なんで?!」
盛大に威張ったと思ったら急に目を丸くした。
「もしかしてキサマ会話ができるのか?」
「はぁ?」
意味わからん。僕が言葉も理解できない幼児と見間違える事も無いだろうし…
というか…ああああ、僕の腹にまたがっているよこの子。そんな事したらお嫁に行けないぞ。
「というか俺の夢だよな…こんな子ぜっっんぜん記憶に無いなぁ」
「初めましてダゾ」
いや、夢は自分の脳の情報処理をする際に見るものだ。つまりどこかで見た・会った・想像したのどれかなのだ。
こんだけかわいい子リアルで見たら忘れないだろうし…アニメのせいかなぁ?想像は…していないと思いたい。
「こ、こういう場合、どど、どうすればいいんだろう?」
少女がたじろいで質問してきている。いや、僕の方がどうすればいいんだろう?
「何時か知らんがとりあえず起きて見よう。」
「え?ちょ、ちょっとまて。そんなことできるわけが……」
背景が色を無くしゆっくりと真っ白になり、埋め尽くされ。次第に黒が現れ始め……
「うそォ!?」
夢の終わり現実の始まり。
という事で冒頭のお話に戻る。


       *****


「じゃあオマエ、夢に出てきた子だって言うのか?」
「何度も言ってるだろう!」
現在AM3:00明らかにいつもより早い時間。僕の想像の範疇を超えた出来事が起こった。
電気をつけて見ると顔はそのままだが夢の中では黒髪のロングヘアーだったのに色素の薄い金髪で頭の左右で二つに結っている子だった。顔に似合っているといえば似合っている。
とりあえず着せた僕の服がだぼだぼでどう見ても小学生のようだ。僕の半袖のTシャツがまるでポンチョのようである。
「何で…その……服を着ていなかったんだ?」
「そこ、聞いちゃうのか?ポッ」
「え゛!?」
「冗談だゾ、実体化するのが久しぶりだったのだ」
このヤロウ…いや、女だからこのメロウ(?)実体化ってなんぞや?幽霊体とかそういう話か?
「アストラル体だゾ」
「大体サキュバスってなんだよ?」
「そんなことも知らんのか?人間の夢に出て精気を吸う悪魔なのだがその私たちの祖先は……」
「し、知ってるけどイメージとして普通もっとこう………な?」
話が長そうだったので口を挟みとりあえずツッコミ待ちな質問をぶつけてみた。
「大ボケダネ!日本という国で若い人間の精気を吸いたいのにぶにょぶにょの脂肪だらけでどうする?」
僕が言わんとしている事を見越して語ってくる。なるほど、見た目と年齢に差があるかもしれない。
「私こそ日本に特化したサキュバスだ。」
「いやいや、趣味志向は人それぞれだし。」
こんな小学生みたいな容姿大好きって人は確実に犯罪方面な気がするのだが…
「歳は?」
「永遠の8歳です☆」急に声のトーンが変わった。
「確実に30超えてるな……」
「女に年齢聞くんじゃねー」
ふむ…この反応はもしかするともっと上だな。犯罪でもないのか。
ボスボス腹を殴られる。小学生の身長から繰り出されるパンチなのでフックではなくストレートで腹だ。しかも振りかぶり方が完全に子供だ。
痛くは無い…夢じゃないよね?いや、夢の方がよかった。
しかし…子供の弱いぱんちは無駄に和むな。本気か?
「サキュバス……悪魔って割には力が強くないんだな?」
「そもそもを考えろ。争いを好む悪魔は多いが私らは温厚な方だ。筋力など人間より弱いかもしれん。」
なるほど。そう考えればそうか。
しかしサキュバス……信じがたいが夢に出てきたしマジなのか?電波じゃないよな?
「で、精気を吸うってやっぱアレなのか?」
高校生ともなれば聞いてみたい事柄である。本当に悪魔であるならば歳は僕より上だろうから幼女相手に遠慮なく聞く。
「あー、萌え~とかキュンとすれば精気が吸えるゾ」
萌え~やらキュンをからだ全体を使って表現してくださった。
「はぁ?」
意味わかんね。どういう理屈で何を吸うんだ?
「で、吸われたらどうなんの?俺吸われたのか?」
いきなり腰に手を当て威張ると
「ふふんっ!寿命が………1日減る!」ビシッ!と人差し指を突き立てた。
「た、たったそれだけ!?」
「ケイジはダメだった。吸えなかった。失敗した。おなか減った。」急激にうな垂れた。
自分がどうとかそんなことの前に1日という事だけで脱力した。規模がちいせぇ。
『寿命が一年縮む』、とか悪くすれば『命を取られる』みたいなひどい方向ばかり考えていた。
「我々のごはんだからなっそんなにいっぱい吸って殺しても逆にこっちが生きて行けなくなるんだゾ。老人じゃなくて若者から吸うのは先が長いからなんだゾ。
断じて若い方がうまいからとかではないゾ。じいさんの方が吸いにくいというのもある。ヤツらは萌えない。態度や言葉で萌え萌え表現出来たり言えるが心からそう感じてはいない。」
怒りを抑えた暗い顔になっている。何やらじいさんと因縁があるようだ。というか思考読まれてるな…変な事考えないようにしないと……
「とにかく人と私達は共存しているんだな!」
「共存というか寄生虫だな…」
ぶほっ!変な事を考えないようにしたらつい口に出てしまった。
「ちゃんと共存してるだろ!?西洋では体を提供してたし日本では萌えをしっかり提供しているぞ」
か、か・ら・だ…ドキドキ!というか、萌え………?
「なぁ…人の夢に入り込んで上空から降ってくるのが萌えなのか?」
「ケイジは夢のリアリティが高すぎるから私の入り込む隙間が少なかったの!
私たち夢魔は夢に見る記憶の空白・曖昧な部分に入り込む事が出来るのだが…ケイジは夢は隙間が無くてあっても遠かったんだ!」
なるほどなるほど。遠い遠い横に出るより。遥か上空から来たほうが早いと踏んだが現実味が強いせいで飛べなくてあえなく墜落というわけか。
「しかし夢を自在に操れる人間なんて初めて見たゾ!」
「俺の事か?自分の夢なんだから出来て当たり前だろ?」
まぁ夢を夢として見ることの出来ない人のほうが大多数だろうけど…
「当たり前じゃないゾ?どうやってやったんだ?」
腕を組み難しい顔になった。うーってうなってる。下唇が出てる。その少しひねくれた顔がちょっとかわいいかもしれないと思った自分の頭を脳内の僕が殴り飛ばした。
「まぁ仕組みとか聞かれても俺だってわかんねーよ」
自分の夢だし。脳の記憶を司る海馬が寝ている間に情報を処理するのが夢…だよな?
そういえば夢って未来を見る予知夢とかあるんだよな……だから?夢の中を自在に動くことが出来るのとは違うな…正直わからん
しばらく考えていると少女は考えるのを放棄するかのように一度息を吐き元気良く告げた。
「よしっしばらくケイジを観察する事にした!よろしくな!」
「冗談じゃ……いや、冗談であってくれ」
深いため息をついて頭を抱えた。若干神に祈ったかもしれない。

   *第1話 「学校は夢の宝庫」*

本日は週末。金曜日。無論学校有りだ。成人男性の標準的身長に少し痩せ気味で童顔な僕だがクラスで目立つのは名前だけだ。
成人男性の標準的身長なんて遠まわしな言い方をしたが同年齢の男子高校生の平均値を6cm下回っている。が、クラスに150cmの知り合いが居るので別段目立つことも無い。
勉強はどれも平均をプラスマイナス10点前後。得意科目は体育だろう。毎度5の評価を頂いている。個性がまったく無いのもどうかと思ったので中学あたりから口の悪さについて研究中だ。
しかし、高校にもなればそのくらいの口の悪さは当たり前でまったく目立つ気配も無い立ち位置の人なのだが………
今朝の夢に出てきた少女は現実にも現れ、あろう事か学校にまでついてこようとした。絶対について行くと駄々を捏ね始め。無論完全に拒否し聞く耳を持たずの状態を続けたのだが。
ものすごい駄々の捏ね方でお隣への配慮を考え押し切られそうになってしまう。こんな子を連れて行ったら…先生や友達になんて説明すればいいんだ。考える。朝の忙しい空気の中で考えがまとまらない。
とりあえずパン一斤とお茶の入ったペットボトルを押し付けキョトンとした顔になった瞬間にベランダに押しやり鍵を掛けた。
気づいたらしく窓を叩くその姿はものすごい罪悪感にさいなまれた。高校に幼女を連れて登校という奇行をするよりましと心に刻み込んだ。
ガスの元栓OK。ブレーカーOK。部屋の鍵オールOK。
今日も一日が始まった。朝っぱらからいきなり憂鬱だと思いため息をつきつつ玄関に鍵を掛ける。
つま先で地面を小突きつつ靴をしっかり履き。アパートの階段を下りた。自分の部屋のベランダを見やる。そこに不安要素と罪悪感を置き去りにして学校に…おっと目が合ってしまった。
「あー!!ちょ、ケイジ待ちやがれー」
聞こえない聞こえない。瞬時に目を離しついでに歩く速度を上げる。
数百メートル離れて後ろを振り返る。気配が遠のいた……と思う。いつもの通学路が新鮮に見える……気がする。
さすがに身体能力が人間と同等で脳の年齢が高いのであれば自ら2階から飛び降りて死ぬという危険性は無いだろう。夕方には帰ると告げてあるし。ご飯もあるし。
というか悪魔に死の危険性って…そもそも死ぬのか?
「ああ、死ねるゾ」
「!?」驚愕で瞬時に振り返った。
「ちょっ…オマエ、いつの間について来た?」
「離れたら観察出来ないだろう?」
どう見ても小学校低学年にしか見えない子(ぶっかぶかTシャツ装備)と一緒に登校などすれば……どうなるのか想像すら出来ない。どうなってしまうんだ。どうにか帰っていただくことは出来ないだろうか。
「アクマー的な…水晶球とか?千里眼とか?鏡とか?それっぽいもので見るとか出来ないのかよ?」
「ケイジ…私を何だと思っているのだ?体はほぼ人間だし私達淫魔の魔力は魅了〈チャーム〉にしか使えん」
「さいですか…」
つか「使えないヤツと考えようとしたな?」
「めっそうもございません。」
思考を読まれるのは最悪だ。やたら気を使う。うーん、やめさせる方法は無いものか…妙案を思いついた。早速考えてみよう。
脳の中を見られるーキャーイヤーンエッチー変態ー
「ケイジ……」
ジト目が向けられる。失敗か?
あからさまなため息をついて歩き出しわかったわかったと手をぶらぶらしてくる。いや、そのぶらぶらはシラネーヨーとも受け取れるぞ!?どっちだ?!
そっち道違うぞ。……お?き、気づかない?道を曲がってみた。十数秒歩いていると後ろからシタシタシタと足音が聞こえてきた。
って、よく見たら裸足かよ!?涙目で走ってきた少女は体当たりを仕掛けてきた。この程度のタックルで倒れるほど身体バランスは悪くないつもりだ。なんちゃって。
しきりに口をパクパクしている。酸素不足の金魚なのかと冗談を考えたが怒りに震え、言葉を選んでる最中なのだろう。
さて、どう怒られるのだろうか?ふむ、怒られる前にそそくさと歩き出しつつこちらから先制攻撃だ。
「オマエって言うのもなんだから名前教えてくれ」
「私に名前など無いぞ」
「えーと?」
聞いちゃいけない質問だったかな?うつむき数秒沈黙が流れる。
「悪魔には人間の思想や思念から生まれる自然発生系悪魔と人間や動物が悪魔になる変化系悪魔と悪魔の親を持つ遺伝系悪魔が居る。」
何を言わんとしているのか大体読めてきた。
「遺伝系悪魔は親が居るので名前をつけられたりするが私は日本人の思想によって生まれた自然発生系悪魔だ。ずっと一人で生きてきたから名前を必要としなかったんだ。」
「ふ~ん、名前が無いのか…オマエって言うのもなぁ………」
う~ん……サキュバスサキュバス……サキ、まんま過ぎるな。サバ、魚か!サス、そうそう振動を伝えないように…ってちゃうがな!
サキュサキュ…サユキ、!「サユキというのはどうだろう?」
「ケイジの好きにすればいい!」
照れたような恥ずかしがるような表情で自分の名前という重要な選択を人に押し付けてしまった。本当に大丈夫か?まあ、反応してくれるのならそれでいいだろう。


そんなこんなで高校付近に来てしまった。
近くを歩く全員こっちを見ている錯覚に陥る。いや、全員こっちを見ている。確実にこっちを見ている。(重要なことなので3回言いました。)
なぜなら普段目立たない一般人の後ろに俺の制服を握った少女を連れている為というのが100%理由だろう。
「なぁ…今からでも遅くない。家に帰ってくんねーか?」
「悪魔に住居など無いぞ」
「いや、そうじゃなくて俺の部屋」
「いやだ」
「いやでもたぶん入れてくれないぞ。アレ」
僕の指差した先には……校門の所に生活指導の体育教師が立っていた。
そう、それは僕の最後の希望。一日中好奇の視線に耐えるより体育教師一人にどやされて帰る方が何倍もマシだった。
そんな最後の砦『先生』という壁が……ぶち壊される事になるとは思ってもいなかった。
僕はコイツが捲き起こす可能性のある災難からどう逃げようか思考することでいっぱいいっぱいだ。力技だけは絶対にご遠慮願いたい。
「ふふんっ大丈夫だぞ。ケイジは私の夢で経験してすでに破っているからかかっていないが今、チャームを使っている。」
「いつの間に!?」
僕の制服を引っ張りしっかり付いて来つつ偉そうに顔だけ得意げになった。
「周りに居る者達も皆かかっていることであろう」
「どんな事が起こるんだ?」
「私がその人の考える完璧で崇高な理想の人間に……見える!」
足がもつれてこけそうになった。
「見えるだけなのか…夢で経験ってあの黒髪で現れたのがソレだって言うのか?」
「夢で見るということは深層心理的に理想の女性像がそうであったのだろう」
ふむ…確かに綺麗な黒髪は好きかも知れない。が、メイド服は絶対に無いぞ?いや、本当に無いったら無いぞ?
まぁ上空から墜落してきて体当たりなどされたらそれもぶち壊しな気がする。本当に破ったと言えるのだろうか?
と、話していると校門の前まで来てしまっていた。
「オハヨウ!」
ものすごい大きな声で明らかにおでこが広がり始めた体格の良い体育教師が挨拶をしてくる。2年生の間ではヘーハチと呼ばれている。軽く怖い。
「お、おはようございます」
たじっと一瞬、気圧されたがなんとか挨拶を返せた。ふうっ
少しの後ろ暗さを含めて後ろの少女を見やった。
急に服から手を離し前で手を組み物語の中のお嬢様のようなしなやかな動きでお辞儀をした。
「おはようございます」
流麗な声が響くと時間が止まったかのように先生が動きを止めた。
「お、お、おおオハヨウゴザイマス」
タイムラグが生じ先生の挙動と挨拶がおかしくなった。ものすごく顔が赤い。ロボットのようなぎこちなさで頭をかき会釈をした。アニメであれば湯気が出るほどの初めて見る顔だった。
「ゆくぞ」
小声で話しかけられ僕の服がくいくいっと引っ張られた。
問答無用の素通りに近かった。部外者だぞ?しっかりしろ先生。
つーか、そこばっかり引っ張るなっシワになるわ。


もう腹をくくるしかなくなってきた。
その子誰?って聞かれたら…親戚の子を預かることになったと言い訳しよう。金髪の親戚なんて信じてもらえるだろうか?
何その服って言われたら…一着しかなかった服が破れたから貸したと言い訳しよう。なぜ破れたのか聞かれないだろうか?
なんで連れて来た?って聞かれたら…泣きじゃくる親戚を放って置けなくなったと言い訳しよう。置いて来れば良かったと言われたら返す言葉も無いな。
はぁ………気が重い。
下駄箱に近づく。そういえば…サユキは裸足だったんだよな。
うちの学校ではすぐ運動が出来るような上履き兼室内シューズと屋外用の運動シューズの二種類が採用されており。似たようなデザインで作られている。
昔はこれに加えてサンダルがあったらしいのだが災害時に逃げづらいという観点からサンダルは廃止になったそうな。
サユキには少しでかいとは思うが屋外用の運動靴を履いてもらえば似てるしチャームとやらもあるようだしごまかせるだろう。
「よしっこ…れ………?」
サユキが居ない。
ど、どこに行った。言い訳を考えているうちにどこかに行ってしまったようだ。
昇降口を飛び出し周りを見渡してもその姿が見えることは無かった。
無事家に帰ったと楽観的兼希望的に考える事にした。
そう思うと気持ちが軽くなり先ほどより確実に明るい顔で階段を駆け上がった。
その少し離れた柱から覗き込む人影の視線がケイジに向けられているのであった………(ムダニ伏線張ッテミタヨ!

クラスに入るとすぐに声をかけられた。
「おはよー」
平 友成〈たいらのともなり〉日本男児クサ過ぎる名前とは裏腹に僕よりも遥かに低い150cmという低身長を持ち、なおかつ僕と違い童顔どころではなく完璧なまったり・ほえほえ系女顔の男だ。
凄い小顔で瞳が大きくたれ目気味男のわりに眉毛が細く高校2年にもなって髭が一本も生えていない。そしてその声は僕の2オクターブ位高いのではないだろうかという高音で声変わりしたのか気になる所である。
むしろ本当に男か?という疑問が捨てきれずにいる。
「はよー」
適当に挨拶を交わし一番後ろだが微妙な中間にある自分の机に向かい椅子を引き足を机に入れ…ようとして軽くぶつけてしまい机がヴィィと音を鳴らす。
そんな小さなことにまったく気にもならず椅子に座り小さくなる。今日はすでにいろんな事が起こりすぎて心労が…
「お疲れだね?」
「んーああーそうだな」
なにせ人外と会話したのだから。生きてるだけでも儲け物!生きているってすばらしい!と思ったり思わなかったり。あんな弱そうな人外じゃ死ぬこともないだろうけど。
「オーハヨーなになにーどしたのー?」
やたらと陽気な声が近づいてきた。
霧森 姫咲〈きりもりきさき〉クラスの中心的人物。人当たりがよく誰とでも仲良しだが委員長ではない。あだ名はヒメと呼ばれているが僕はそんな呼び方はしていない。
身長が161cmあってもウエーブのかかった濃いブラウンの髪と高く細いシャープな鼻ががイメージとしてミニチュアダックスフンドを連想させる。
全体的に細いが目が大きい、口も大きく常に口角が上がっていて元気のよさが見て取れる。
クラスではこの二人だけが特に目立たない僕に進んで話しかけてくる変人………いや、大事な友達だ。
「実は………」
二人が同時にのどを鳴らす。
「「実は………?」」
興味しんしんのようだ。声がシンクロした。この二人微妙に似ているのだ。
そういえば。マズイ。言えない。悪魔なんて言っていきなり信じろとか無理だし。幼女と登校してきました。なんてもっと言えるはずも無い。
「な、なんでもない」
とりあえず言い淀むしか出来ることが無い。
「ええー!言おうとしたことはちゃんと最後まで言おうよー」
だからそれが無理だって言うの。
「ふむふむ、1年という長い付き合いから見てデカは……」
トモがわかったような口を出すと
「おお、デカは……何?何?」
霧森さんが増長させる。というか1年って長い付き合いと言えるのか?
1年とちょっと前にこっちに引っ越してきた時は地元から進学してきた人たちが大半を占めていたため友達もなかなか出来なかったものだ。
そんな意味でも2人には少なからず感謝している。が、深い関係ではないので心情を読めるほどでもないだろう。さて、変な回答にどう軽口を叩いて場を収めるか……
「困った女性が出来たに違いない。」
な、に!?油断していて無表情を貫く事が出来なかった。その瞬間を霧森さんに見られてしまった。途端に大きな目を光らせ……というか血走っている。
「えーまじで?まじで?教えて教えて誰?誰?誰?」
「え、えーと……」
キーンコーンカーンコーン………キーンコーンカーンコーン………
助かった。ちょうどいいタイミングでチャイムがなる。朝のショートホームルームの時間だ。
先生が来るものだと思ってみんな大体の人たちが自分の席に戻ってゆく。
しかしなかなか先生が現れない。
みな雑談を始めてしまった。クラスでもお調子者なヤツが隣のクラスの様子を見に行った。
そのお調子者が情報を持って帰ってきた。周りのクラスが全て先生が来ていない状態で緊急の職員会議が始まっているらしいという事までわかった。
ものすごい嫌な予感がする。
しばらくすると頭からまっすぐ重力に逆らっているツンツンヘア、太くコユイ斜めに尖った眉毛、常に自身ありげな目、ジャージチョイ開けシャツちら襟立てといういでたちのいまどき珍しいほどの熱血先生「後藤」が教室に入ってきた。
「おまえら座れー会議で遅くなったがホームルーム始めるぞー」
委員長が号令をかける…きりーつ、きをつけー、れー、「おはようございます」ちゃくせき
「えーものすごく急なんだが出欠取る前に転校生を紹介する。時間も押しているので入ってきてくれ。」
ゾクっ!ものすごく嫌な予感がする。にわかに教室内が色めき立つ。
扉から薄い金色の髪の毛が見えた瞬間に僕は視線を下げて目を合わせないように努力した。
ああ、なんて美しい木目なのだろう…今僕は机マニアなので机から目が離せない。だから前を見ていなくても不自然じゃない。と意味不明で無意味な弁解を心の中でつぶやき続けた。
「ええと、自己紹介できるか?」
「サユキ・フォン・ル・クァオ・エリィレルフです。サユキって呼んで下さい☆よろしくお願いします。」
ガハッ!!きやがった。なぜこのクラスだとばれた。しかもなんだその名前聞いてないぞ。だがまだ顔を見ていない。もしかしたら髪色と声が似ているだけかもしれない。
「歓迎会は後程な。んで事前に何にも聞いて無くてな、机すら用意できてないな。よしっ」
嫌な予感はビシビシ来ている。こういうときの悪い予感はかなりの高確率で当たるものだ。
「サユキ君は目は良い方かな?」
「ハイ!ものすごくいいです!」
「じゃあ席替えはいつか考えるとしてとりあえず詩縫の横が開いてるからそこに机を持ってきてもらおう。女の子に机は運ばせられないなっ詩縫、これから隣に座るよしみで机を運ぶのを手伝ってくれ。」
名前が出た瞬間にビクッとしてしまい不用意に机が音を鳴らした。しかし想像通りというか……ストレート!直球ドまんなかー150km/h!何も言い返せなくて空振り三振、バッターアウト!
恐る恐る顔を上げると付近まで近寄っていたサユキと目が合った。周囲の視線が「イイナ~」とか「カワイー」とか「美しい!」という明るい色に対して近寄ってきたサユキの顔は「ドウダ?」と言わんばかりの黒い笑顔だった。
僕は凍りつき非常に頭を抱えたくなった。その時僕の顔は絶望に塗りつぶされていたであろう。しぶしぶ立ち上がるのであった。
先生から机のある教室を聞きその空き教室に向かう時にサユキがついてきた。とりあえず疑問をぶつけてみることに。
「なぜいきなり俺の学校に入ってきた?」
「観察の為だろう?」
「すまん、質問が悪かった。どうやって入った?」
「チャームと持ち前の頭脳で。」
くそう。仕草や見た目も相まって知能も小学生レベルだと勘違いしていた。『軽く』見積もって30年以上生きているんだ。
良くわからん……入校手続きを数分で終わらせられるとは思えない。
「その制服はどうしたんだ?」
「チャームと持ち前の頭脳で。」
同じ答えカヨォ!?誰かに買わせたのか!確かにうちの購買には全サイズが常に2着ずつあった気がする。しかしそんな小さいのあったか!?
「名前……あったんじゃねーか」
「チャームと持ち前の頭脳で。」
「答えになってねぇ!?」さすがにツッコミを入れてしまった。
「ああ、アレは適当だゾ!」
出まかせかよ。次聞かれたらどうすんだか…
はぁ……盛大にため息が漏れる。
「1限目遅れるから少し急ぐぞ」
「アア!」
返事は100点。歩行速度は甘く見て50点。
足が遅いのは身長が低いからだとわかってる。うん、わかってる俺。
なんか机がいっぱい置いてある教室に到着。なんとか机をGETし50点の速さで教室に戻ると
「何やってたー……ん?ああ、そうか、早く座りなさい。」
1限目の現社の先生が着ていた。
自分の席からものすごい余裕を見て2m位の位置に机を置いてみた。
後ろから衝撃が走った。置いた瞬間だったので机がヴィィと音を鳴らす。制服のズボンに室内シューズの跡があり、サユキがこちらを冷めた目線で睨んでくる。
ある程度言わんとしていることがわかったので自分の机に近づけようとして………教室中から睨まれる。
どうしろと!?
結局50cm以上1m未満な距離に机を置いた。
したらばサユキが手を上げ「教科書がまだ無いんですけど!」と先生に申告。
「隣の……ええと……………詩縫君見せてあげなさい。」
今教壇の座席名簿見たな!さすが存在感が薄い!名前を覚えられていない!よしっ!×3
と思ってる間に「ヴィィィィィガツッ」サユキが机の隙間を0cmにした。
クラス中から敵意ばかり感じる。ケイジよ……心を無にするのだ。でなければ授業に集中できない。出来るはずが無い。

       *

キーンコーンカーコーンキーンコーンカーンコーン
ふぅ…何とか現社をなんとか集中できたしノートも取れた。
「はいじゃーこれまで。」
と先生が言うと委員長の号令で授業を閉める。
先生が退出し休み時間になったとたんにものすごい勢いで人の波が押し寄せる。サユキの席にクラスの半数以上が集まり人だかりが出来る。サユキ自身が驚いている。
まて、その囲んだ机と俺の机はくっついてるんだ!ぎゃあああああああああああ……………………ぐふっ
人だかりに押しつぶされ突き飛ばされ床に叩きつけられる天然かはたまた作為か?不自然に強い力が体にかかる。
這い出そうとして踏まれ蹴られ僕を亡き者にしようとしてるのではないかと思ってしまうほどだった。
いや、上をチラ見したら目が合った。頭を蹴られた。目の中に光が飛び回る。こいつ等わざと踏んでる。
魅了、チャームか自分の理想に見える。取り囲んだ全員が一生をサユキと添い遂げたい人だかりなのだろう。
そして、その人たちから見たら俺はお邪魔虫というところか。なんというTHEとばっちり。
「ケイジッ!……た、すけ………て……」
喋れない。さっきから「ぐえっ」「がはっ」「ごほっ」「うぼっ」とか呻き以外喋っていない。
俺のほうが助けてほしいよ。そっちは揉まれる程度だろうが。こっちはとばっちりでフルボッコなんだが。
「やめなさい!!!」
大声量の怒号に一瞬にして場が凍りつく。
この声は……委員長が助けてくれたようだ。ロングでストレートな黒髪。目では無く瞳が大きく黒い。口が小さく、唇は薄く、鼻は高さのわりに小さい。
凄く柔和な顔なのに号令とホームルーム以外で喋っている所を見たことが無い。怒った所など一度も見たことが無かった。だが今まさに目が尖り釣られて眉も斜めになり。
どこかの尖ったメガネをつけた社長秘書的な、高圧的イメージが浮かんだ。
さて、凍りつくのは良いが僕の上に乗っかったまま止まってやがる。この野郎。
委員長がスタスタ近づいてきた。片っ端から自分のクラスメイトを身長175cmを超える威圧感と腕の力で突き飛ばして我が道を作ってゆく委員長。かっこよすぎる。
「大丈夫?」
片膝を着いて俺を起こそうと腕を持ってくれた。誰でも助けてしまいそうな慈愛に満ちあふれた笑顔を向けてくれた。
初めて近くでまじまじと顔を見…………。まぶしすぎて見えません!!気恥ずかしくなって目をそらしました。
「よっ!」
腕を抱えるように俺を引きずり出し。足が引きつって力が入らない。が、腕にやわらかいものが触れた。
むにゅーん。ガハッ!!力が入らないはずの足が『シャァキィン!』と伸びた。
「だ、大丈夫です!」
直立姿勢になり無駄に敬礼してみた。
と、すぐに委員長様はサユキを引っ張り出しに行った。
「ごめんね、大丈夫?いつもはこんなこと無いんだけど……」
「ああ、ありがとう」
サユキですら素直に礼を言った。よほど恐ろしかったのだろう。
周りを見渡しそれぞれの顔を見つめ
「冷静になって自分を見つめ思い出してください。あなた達は現状、印象最悪です。これを良くも悪くも変える事が出来るのはあなた達です。よく、考えて行動してください。」
取り囲んでた人の顔が見えなくなった。全員うつむいてるようだ。
2つ横、窓側の席からトモが目を細め口を緩やかに曲げ右手親指をこっそり立てていた。

「保健室に案内しますね」
といって人だかりに加わっていた保健委員を無視して委員長自ら保健室にサユキを小脇に抱えて案内することに。足がぶらーんとなってる。なすがままだな。
僕まで手を引っ張られて。人の事言えないな。なすがままだ。
「俺は別になんとも、大丈夫っス」なんか照れくさくて卑屈っぽい口調になってしまった。
「ダメ。頭から血が出てる。」
気づかなかった。体全体が痛くて、どこから血が出ても気づかなかったかもしれない。
「しかし、学校という所は凄いな」
「人の数がか?」
「いや、私のチャームが効いていない割合が多い。」
委員長の頭に「?」マークが浮かびまくっている。
「確かに委員長も効いてないしトモと霧森さんと他数名効いてなかったみたいだな」
「ああ」
「私?」
困惑気味の委員長をほっといて会話を続ける。どうせ信じてくれないだろう。電波な会話だと思うことだろう。
「浮気しやすい人のほうがチャームにかかりやすいんだ。」
「そんなのあるんだ。浮気度チェックに使えそうだな。」
「人の魔力を占いとか心理テスト扱いするな。」
せっかく有効利用の道が見えたのに。
「それはそうとサユキはどっか怪我したのか?」
「ああ、実は腕をひっぱられて肩の関節が外れている。」
揉まれるだけじゃなかったのか、そうか取り合い。引っ張られたか。災難だな。
「大丈夫なのかそれは?」
「我慢とは精神力の強さだ。」
顔を上げたところをよく見たら脂汗が出ていて、ずいぶん無理をしてそうだった。
なるほど、腕ごと抱えて運んでたのは無駄に動いて痛みを増やさないようにか。
「荒い扱いをしてしまってなんと申し訳無い。」
いきなり委員長が謝りだした。
「担架を持ってきたほうがラクですか?遠慮せずに何でも言って下さい。」
「早急にはめてくれたほうがうれしい。あああ、揺れると………ん、だから早歩きしなくてもいい」
そうして保健室に着くと………
保健の先生が急用ですぐ戻ってこれないのだとか…
とりあえず僕は顔まで垂れた血を拭いといた。見た目『流血青年』から『普通』に戻った。
変わりに肩を入れられる人を委員長が探しに行った所。
「へ、ヘーハチッ!?」
朝の再来。ヘーハチを連れて来た。そうか、柔道部の顧問だから治せるのか。
「んん?キミか!ではやさしく入れてやらんとな。んでは、行くぞ!」
ゴキュリッ!とこちらまで聞こえる凄い音を出してはめた。
「にぎゃああああああああああああああああああああああ」
これは……!や、やさしいのか?めっちゃ痛そうだったんだが……
あ、泡吹いて倒れた。―――ベッドに寝かせておきました。
僕の頭のキズを見た瞬間に怪我は専門外だとかチャイムが鳴ってしまった授業が…とか言ってヘーハチは逃げてしまった。
次は数学だったか…受けられるかな……
「こっちに来て」
委員長がポンポンと丸い椅子を叩いている。
「委員長?」
「消毒だけでもやっておこう?そのくらいならわかるし私でも出来ると思う。」
椅子に座る。と正面から僕の頭を探り出した。
「んん?辺り一帯赤くてどこが傷口だろう?」
ブハッ!?委員長のメリハリ効いたぼでぃーが目の前でふにんっと動いた。精神的ダメージ40P。残り60P。
「ここかな?」
「いてっ!!」
「あ、ちょっと危ないから動いちゃダメ」
ゴハァ!!頭を抱えられた。顔がやわらかい……も…の……に。。。。精神的ダメージ120Pオーバーキル。
ウ………ダウン!戦闘不能。真っ白に生きた屍と化す。体と精神が引き剥がされるぅぅ~………
「あ、教室戻ってるから保健の先生来たらちゃんと見てもらってね。」
「……ハイ。」
精神が離れててよかった。なんとか耐えしのいだ。しかし、精神が磨り減っている。回復せねば。まったり時間を経過すれば回復するだろう。
なんだかんだあって授業開始20分が経過してしまっている。戻ってもあと30分か。授業出席は80%以上参加で出席したことになるからもう出ても欠席扱いか。ここでのんびりしているか。
窓の外、風が流れているのが見える。草木が揺らされて音を奏でる。
ササァーササァーぐぅっ~ササァーササァー
「ぐ~?」
そういえばベッドにサユキを寝かせていたんだった。委員長の事でいっぱいいっぱいで忘れていた。
腹の音か、当人が寝ているので微笑して見やる。
ふう…寝ていれば普通に子供なのに…まったくどうして……
妹の小さいころを思い出して苦笑しつつ精神が回復している気がする。
そして、サユキの額に手の乗せた。
―――瞬間。
引きずり込まれる感覚。いや、わかりやすく滑り台を落ちる感覚だ。
「おわっ!?」
いきなり視界が真っ暗になった。目が暗闇に慣れていない。足が着いていて重力はあるようだ。
「いきなり………なんだここ?」
「ん?!」
ドンッと何かにぶつかった。
「お?」
「お?!」
目が徐々に暗闇に慣れてくる。
サユキだった。
「なんだサユキか、驚かせるなよ。」
「なぜここに居る?!」
驚きによって限界まで目が見開いている。どうやら僕はまた規格外な事をやってしまったようだ。
「あーここどこだ?」
「夢の中だ、腹が減ってとりあえず夢を見ているヤツに入り込んだのだ。」
「誰かの夢なのかー」
目が慣れてきたらどうやら夜の学校のようだ。今は正確にどこに居るとまではわからないが1~3年で使われる教室だ。掲示物はうちのクラスと一緒な様だ。
「私の質問に答えよ!」
自分で納得して答えるのを忘れていた。
「ああ、わりっええと…寝てるサユキのデコに手を置いたらこっちに来たみたいだ。」
「キサマ!人間か!?」
「お決まりのセリフみたいに言うんじゃねぇ」
「な、御主そんな相手の意思を考えずに寝てる相手を襲う趣味だったのか?」
急にモジモジすると顔を赤くして見せた。
「ちがっ!俺はロリコンじゃないしそんな事しない!」
「冗談だゾ。その気が薄いのはわかってる。私がもう少し大きかったら……というような無粋な視線が会った時から感じられたのでな。」
「ヴ………」
目が良いと言うか察しが良いと言うか。サユキの前でウソはつけないな。
「まあいい。それよりも早く出口を探すぞ。これは『悪夢』だ。」
「『悪夢』?夜の学校がか?」
「人によって見る悪夢は違うが今回はそのようだ。出口になるのは夢を見ている本人がここが安全と思ってる絶対座標もしく心の拠り所。あともう一つあるにはあるが……こちらはめんどくさいな、別にやらんだろう。」
他にもこの夢を出る方法があるのか………まぁ安全地帯ねぇ……んー悪夢にもよるかなぁ…
昔虫がいっぱい出る夢を見たとき家の殺虫剤が解決方法だったなぁ
夢を見てる本人と相手が何であるか判れば話は早そうだ。
「やる事決まってるならさっさと行こうぜ」
教室の戸をガラリと開ける。廊下に出た瞬間に見た事がある顔が倒れていた。うちのクラスメイトだった。ゴ○ゴⅩⅢが撃ったのかと勘違いするほど綺麗に眉間を撃たれている。
「な、なにが起こってる………?」
「『悪夢』だからな、さっさと行くゾ。」
廊下には僕のクラスメイト達がゴロゴロと転がっていた。
どうやらうちのクラスメイトが多いためうちのクラスの誰かが見ているだろう夢という事になる。
しかし最初の教室うちのクラスではなくお隣だった。3階の2年生の教室だ。廊下の窓から空を見上げると…
「星が…バラバラだ……」
天体観測をした事ある人は夜空の星をいくつが知っているであろうがこの夢はそれが星座も規則性も時間も季節も方角もとにかく適当なのだ。とりあえず知っている夏冬の大三角であろう大きい星がありえない配置をしていたり…
「なんだこりゃ」
「この夢はリアリティがケイジの夢より遥かに低いようだな」
「リアリティ(現実味)ねぇ……」
安全地帯は自分のクラスではなかった。
大量の死体だらけであんまり直視したくない凄惨な状態だった。
他のクラスも空振りに終わり。
他を探そうということになり3年生がいる4階に続く階段がぼやけて途切れているため確実に2年生である事は証明された。
1年生がいる2階に下りてみるとそのすぐ横は特別棟と教室棟と教官棟を結ぶ渡り廊下がある。
この学校は『呈』という漢字に似て作られている。口の部分は体育館だ。王の字のような校舎が配置されている。
真ん中が教室棟。体育館側に教官棟。その反対側に特別棟だ。
その教室棟と教官棟の渡り廊下で音がしたような気がした。
そちらに行くと向こう側からクラスメイトが駆けてくる。なぜか足音がしない。
名前と顔は知っているがぜんぜん話した事が無いヤツだ。必死の形相でこちらに走ってくる。
ドォキューン!とテレビやゲームでありがちな銃声が聞こえた。
一瞬スローモーションが流れるかのように体感時間が延びた。
クラスメイトは綺麗に眉間を撃ち抜かれ血を撒き散らしながら崩れ落ちた。
倒れたクラスメイトから視線を上に向けると
背後に立っていたのは………僕のクラス担任、後藤だった。
後藤はなぜかラOボーよろしくな格好で上半身何も着ていなくて顔に濃いグリーンと茶色のペイントM60用のベルトリンク弾を肩からクロスしてかけている。
手にはどこかのアニメで見た事があるのかサプレッサーの付いた一見ワルサーのようだが形が曖昧だ。
ツッコミどころが満載過ぎる!!!
今、無駄な事を考えていた所で銃がこちらに向けられようとしていた。
「どしたー?今の音は銃か?」
後ろからのんきな声が聞こえてきて、瞬時に判断。階段側に引き返せば壁が近い。瞬発力ならクラス1。
「危ない!!」
後ろから着いて来ていたサユキを抱きかかえ階段側の通路に向かってダイブした。滑った先でも瞬時に動き背中をコンクリートに密着させる。
よしっコンクリートの壁があれば大丈夫。
なのに、『ドォキューン!』と音が鳴る。
無駄とわかってても……う、つ……の………か?ア。。レ。。。?
「ケイジ!?ケイジ!」
ゆ    さ  ぶ ら   れ     て   い      る?

「ハ!!」
そこは保健室だった。まだサユキは寝ていた。汗がびっしょり。息が荒い。
ここの窓からは見えないが体育の授業だろうか外から楽しげな声が聞こえてくる。
保健医はまだ来ていないようだ。
夢の事を思い出す。どういうことだ?なぜ弾が当たった?リアリティが低いと言っていたな。
つまり悪夢を見ている本人がコンクリートの強度や銃の威力を正確に把握していないからサプレッサーを付けたハンドガン程度でコンクリートが突き破られた?
いや、違う。コンクリートを突き破っていたら壁に穴があり破片が飛ぶはずだ。起きる直前に幽体離脱のように上がっていった時壁に穴など見えなかった。
つまり、後ろから眉間に撃たれたのではなく。正面から眉間に撃たれたのだ。
そんなのできっこないという科学的根拠の知性が訴えているがこれは夢だから何でもありえるんだと本能が告げている。
チートすぎる。ではどうすればいい?
「ぅぅ……」
サユキも汗をかきうなされている。
夢の時間=現実の時間という式は成り立たない。
人によって脳の処理速度に違いがあるが早い事の方が多かったりする。
迷ってる時間も試してる時間も無い。
「待ってろ、今助けに行く!」
もう一度サユキの額に手を置いた。

                 つづく。
スポンサーサイト
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
http://fortis444.blog130.fc2.com/tb.php/202-211d67ab

トラックバック

コメント

コメントの投稿

コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

Appendix

FC2カウンター

プロフィール

+6超強いバフォメットJr.

Author:+6超強いバフォメットJr.
name:羊

play a game:PHANTASY STAR Online2
server:2(ウルシップ)

main name
メリーさんのひつじ
racial
ニューマン
法撃力特化型
type
フォース(Lv70)
テクター(Lv70)
レンジャー(Lv45)
ガンナー(Lv65)
ハンター(Lv70)
ファイター(Lv65)
ブレイバー(Lv62)
バウンサー(Lv49)


sub name
メリーさんの執事
racial
デューマン
射撃・遠距離戦特化型
type
フォース(Lv4)
テクター(Lv1)
レンジャー(Lv45)
ガンナー(Lv1)
ハンター(Lv1)
ファイター(Lv19)
ブレイバー(Lv51)

sub name
メリーさんのうさぎ
racial
デューマン
接近戦特化型
type
フォース(Lv15)
テクター(Lv7)
レンジャー(Lv8)
ガンナー(Lv45)
ハンター(Lv65)
ファイター(Lv1)
ブレイバー(Lv61)


ひそかに更新中

なかみ

名前    :内緒(ってあたりまえか)
年齢    :誕生日から逆算!
血液型   :O型+
誕生日   :1985年12月16日
星座    :いて座
身長    :165cm
体重    :62kg
性別    :おとこ
干支    :うし
動物占い  :ひつじ
性格    :日記読め。
好きな色  :淡色水色・ピンク・黄緑等
好きな食べ物:無くなった。
嫌いな食べ物:無くなった。
最近のハマリ:キュウリ?
好きな飲み物:炭酸系しゅわ×2が分る
最近のハマリ:水。カロリーが少ない!
好きな音楽 :国内外何でも聴きます
好きなユニット:いきものがかり
好きな漫画 :いろいろ。うそリリとか
最近のハマリ:兄が妹で妹が兄で。
女声男子

部屋のPC台数:3つ
メインPCの性能
CPU   :CORE i7 2600
メモリ   :32GB
グラフィック:nVIDIA GeForce 560 1G
HDD   :2T
OS    :dos7 Pro 64bit
マウス   :SANWA MA-LSWSFW
キーボード :MULTI FUNCTION5
モニタ   :BenQ G2450H 1920X1080

ファンタシースターオンライン2

PSO2_200x200_応援バナー01 PSO2_200x200_応援バナー02 PSO2_200x200_応援バナー03 PSO2_200x200_応援バナー04

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR

著作権等

このブログ内における「ラグナロクオンライン」から転載された全てのコンテンツの著作権につきましては、運営元であるガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社と開発元である株式会社Gravity並びに原作者であるリー・ミョンジン氏に帰属します。 © Gravity Co., Ltd. & LeeMyoungJin(studio DTDS) All rights reserved. © 2009 GungHo Online Entertainment, Inc. All Rights Reserved. なお、当ページに掲載しているコンテンツの再利用(再転載・配布など)は、禁止しています。
このブログ内における「ファンタシースターオンライン2」から転載された全てのコンテンツの著作権につきましては、運営元である株式会社SEGA(SEGA Corporation)に帰属します。With regard to copyright of all content that has been reprinted in this blog from the "Phantasy Star Online 2", I belong to SEGA Corporation is a management source.なお、当ページに掲載しているコンテンツの再利用(再転載・配布など)は、禁止しています。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。